2.組織の人間関係改善を通じてめざすもの

組織の人間関係改善がより高度な施策の実現につながる
組織の人間関係改善の効果は職場の雰囲気が良くなることだけではありません。
より高度な施策を着実に実行できる組織へと成長することが可能になります。
上司が聴く姿勢を持つことが出発点
人間関係改善の第一歩は上司からのコミュニケーションを見直すことです。
上司から部下への一方通行ではなく、部下の話をしっかり聴く姿勢が大切です。
上司からのコミュニケーションを通じて客観的事実や部下の事情を把握することを意識しましょう。
- 部下の仕事の状況や行っている工夫
- 業務上の負担やうまくいかない背景
- 起きている事実と現場の声
これらを丁寧に聴き否定せず理解することを意識し
どういう背景で何が起きているのかに目を向けましょう。
コミュニケーションの改善が組織を変える
こうした対話を積み重ね、上司から部下へのコミュニケーションが改善することで
- 上司が客観的な事実と部下の事情を整理して把握できる
- 上司の言動に一貫性と納得感が出てくる
- 上司が事実をしっかり理解していること、事情をくみとってくれていることが部下に伝わる
といった変化が組織に生まれます。
その結果、より高度な施策を実現できる土台がつくられていきます。
有効な施策は事実を把握すれば自然と見えてくる
最も有効な施策とは特別なことではなく
当たり前のことを当たり前にやることに他なりません。
客観的な状況をしっかり把握できていれば必要な施策は自然と見えてきます。
施策が現場の事実に即していれば無理なく成果につながっていきます。
納得感と安心感が高度な施策の実行力を高める
高度な施策を実行・実現するために上司は普段から次の3つを意識しましょう。
- 客観的事実に基づいた一貫性のある言動・業務を意識する
- 負担はあっても必要だからやってほしいと上司が部下にしっかりと説明し伝える
- リスクをとって失敗しても責めない安心感のある風土をつくる
これにより組織に納得感と安心感が醸成され
高度な施策にも納得して前向きに取り組める組織となっていきます。
高度な施策が実行できない原因
上司の思い込みにより認識が事実からずれると対応する施策案もずれてしまうため
当たり前の施策が打てなくなってしまいます。
上司の一貫性のなさや説明不足が原因で組織がまとまらないと
リスクや負担のある施策への拒否感が組織に生まれてしまいます。
高度な施策が実行できない原因は組織の業務レベル不足よりも
上司の事実認識不足と組織のまとまり不足であることが多いです。
より高度な施策を実現するために
上司が部下の話を聴くことで客観的事実を理解できれば有効な施策は自然と見えてきます。
リスクや負担が大きな施策でも納得感と安心感のある組織であれば実行できます。
その結果、組織はより高度な施策に取り組めるようになります。
- 客観的事実に基づいた一貫性のある施策
- 負担やリスクはあっても組織の利益につながる施策
こうした難易度の高い施策を立案し実現できる組織となっていくのです。
納得感と安心感があればリスクや負担のある施策であっても部下はついてきますし、
上司自身が納得感と安心感のある施策を打てる上司になることが
より高度な施策を実現できる組織になるために最も重要なことです。