■自己肯定感により生まれる現象と改善策まとめ

自己肯定感が低かったり高かったりすることで
職場の人間関係や仕事の成果に様々な影響が現れます。
STEP3で紹介してきたそれらの現象や対策方法を
整理、補足して掲載します。

自己肯定感が低いと余計なことをやってしまう

自己肯定感が低い人は
なんとか自分の自己肯定感を上げようと無意識に行動します。

その際、仕事で成果を出して周りの人に認めてもらおうとするあまり、
必要以上に完璧を求めてしまって無駄な仕事を増やしてしまったり
無理に大きな成果を出そうとしてしまったり
自分の成果だと周囲にアピールできる方法に固執してしまったり
自分の成果とするためにいらない口出しをしてしまったり
といった余計なことを行ってしまう場合が多いです。

このような方法では
仕事の成果が出るのを逆に妨げてしまいますし
自分の自己肯定感も上がりません。

もし、自分がこのような状態に陥ってしまっていると感じたら
自己肯定感を上げるために何か行動するのではなく
余計なことや自己肯定感を上げようとすることをやめてみてください。
余計なことをせず、当たり前のことを当たり前にすることで
仕事の成果につながり成果につながり周りの人との関係も良くなります。
結果として自然と自分の自己肯定感も上がります。

関連記事:■余計なことをやってしまう

能力を発揮できない人、できる人が生まれる

自己肯定感が低い人は
仕事で成果を出して周りの人に認めてもらおうとするあまり、
余計なことを行ってしまいます。
結果として自分の能力を成果につなげることができません。
また、あれもこれもやろうとしてしまって
脳のメモリがいっぱいになり、自分本来の力が発揮できなくなります。

自己肯定感が高いと
余計なことをしなくてすむので
自分の能力をそのまま成果につなげることができますし
脳のメモリに余裕をもって行動ができるので
自分本来の力が普段から発揮できます。

能力を上げようと努力するよりも
脳のメモリに余裕をもたせて自分本来の力を発揮させるほうが
効果が出る場合が多いです。

自己肯定感の低い人は
まずは余計なことをやめて
脳のメモリに余裕を持たせることを心掛けると
徐々に自分の力を発揮できるようになります。

関連記事:■能力を発揮できない人、できる人が生まれる

できる上司がダメ部下をつくる

なぜできる上司がダメ部下をつくるのか

人間は無意識のうちに周りの人と自分を比べ、
自分が劣っていると感じると自己肯定感が下がります。
できる上司の下で働いている部下は
上司の仕事と自分の仕事を自然と比べるようになり
自分のレベルの足りなさを実感して自己肯定感が徐々に下がっていきます。

また、できる上司は部下にも高いレベルの仕事を求めることが多いため
上司の要求に応えられず、上司から指摘をうけてしまうことも
自己肯定感が下がる大きな原因となります。

これらを原因として自己肯定感が下がった部下は
自分の能力が発揮できなくなり、成果が出せなくなってきます。
この負のスパイラルが続くと、
最終的にはモチベーションも低く仕事もできないダメ部下となります。

ダメ部下を生まない方法

ダメ部下が生まれないようにするには
まずは部下に高いレベルの仕事を求めすぎないよう意識することが必要です。
もちろんあえて低いレベルを求める必要はありません。
無意識に高いレベルを求めすぎていないかを注意し
適切なレベルでの要求を保つよう心がけましょう。

その上で、部下の自己肯定感のフォローを行います。
部下の話をしっかり聴くこと、当たり前のことであっても成果を認めること
のような自己肯定感を高める基本的な方法に加えて、
成果以外の複数の軸で各個人を見る風土づくりが必要です。

成果という軸だけで各個人を見てしまうと
どうしても成果を出している優れた人と
成果を出していない劣った人に分かれてしまいます。

成果という1つの軸だけでなく
1人1人の個性や得意なことといった複数の軸で各個人を見ることができれば
優れた人と劣った人が生まれることもなくなり
それぞれが価値のある個人として認められるようになります。
それにより全員の自己肯定感が高く保たれ
ダメ部下が生まれることもなくなります。

関連記事:■できる上司がダメ部下をつくる

優等生と劣等生に分かれる(262の法則)

262の法則とは

どんなに優秀な人だけを集めても
集団として活動を進めていくうちに
自然と2割の優等生、6割の中間層、2割の劣等生に分かれます。
これを262の法則といいます。

この集団から2割の優等生、2割の劣等生が抜けても
残りの6割がまた262に分かれることが特徴です。
つまりどうやっても優等生だけの集団を作ることはできません。
多くの会社がこの法則を打ち破ろうとして
社員教育に力を入れていますがこの割合から脱却できていません。

このような現象が起こるのは
この法則がメンバーの自己肯定感に起因しているからです。
集団として活動を進めていくうちに各メンバーが自分と他人を比較し
優越感や劣等感と抱くことで
自己肯定感の高い人、低い人に分かれていくためです。

関連記事:■優等生と劣等生に分かれる(262の法則)①

262の法則を打ち破る方法

262の法則は各メンバーの自己肯定感に起因しているため
メンバー全員の自己肯定感を上げていくことが重要です。
しかし、集団全員相手となると大人数へ対策を行う必要があるため
1人で解決を図ろうとしても手が足りなくなります。

そのため、メンバー全員で対策を行う必要があります。
メンバー全員が自己肯定感の特徴を学び
話を聴き相手を認める、
相手に活躍してもらい成果を認める、
複数の軸で相手を認めるといった取り組みを行う必要があります。

また、自己肯定感には他人の自己肯定感の方が上げやすいという特性があります。
この特性を利用することが262の法則を打ち破るための一番のポイントです。
つまり、各メンバーそれぞれが
他人の自己肯定感を上げることを意識して行動することが効果的です。
メンバー全員が自然と他人の自己肯定感を上げる行動ができるようになれば
集団全員の自己肯定感を高く保つことができます。
それにより生産性が高くメンバーの充実感も高い集団となり
262の法則を打ち破ることができます。

関連記事:■優等生と劣等生に分かれる(262の法則)②