■怒っているお客さまに対して

■怒っているお客さまに対して

お客さまが求めていることを理解する

怒っているお客さまへの対応は多くの人がどうしてよいか分からず
苦手としているのではないでしょうか。
きちんと対応するのは難しいですが
第一歩として対応の基本を知るだけでも結果が変わっていきます。

怒っているお客さまが本当に求めているもの

怒っているお客さまは
「自分が被害を受けたことを認めてほしい」と思っています。
まずは「自分がこんなに被害を受けた」ということを相手に伝えたい、
その上で相手に自分の被害を認めてほしい。
というのがお客さまが本当に求めているものです。
怒っているお客さまへの対応がうまくいかない場合は
この部分の理解ができず、対応がずれてしまっていることが多いです。
まずはこれを理解して対応することで
怒っているお客さまへの対応は大きく改善します。

多くの人が陥る間違い

怒っているお客さまが求めているものは
「自分が被害を受けたことを認めてほしい」ことであり
「受けた損害の賠償」とは少し違います。
結果的に損害の賠償をすることが解決策になる場合もありますが
「損害の賠償」に向けた話をするのではなく
「お客さまが被害を受けたことを認めること」に
向けた話をするほうがうまくいきます。
また「どちらが正しいのか」ということに
焦点を当てた話をしてしまい失敗することも少なくありません。
つい「どちらが正しいのか」を焦点にしてしまいがちですが
そこを明らかにしても解決しないことを意識しておきましょう。

対応の際に意識すべきこと

お客さまが求めていることは
「自分が被害を受けたことを認めてほしい」ということです。
そのため以下のことを意識して対応しましょう。

「どちらが正しいのか」の議論をしない

お客さまが怒ってしまったことに対して
どちらに落ち度があるのか、どちらが正しいのか
という話をしても解決しません。
ついその話をしてしまう人も多いと思いますが
どうしても必要な場合以外は避けるようにしましょう。

自分の人格や行動が否定されているわけではない

怒っているお客さまへの対応を行っていると
聴き手である自分の人格や行動が
否定されているように感じてしまうことが多いです。
しかしどんな場合であっても
自分の人格や行動が否定されていると受け取る必要はありません。
その部分を気にする必要は全くありませんし
自分が背負い込む必要もありません。
「お客さまがどんな被害を受けたか」の話をしているだけだと
明確に意識しながら話を進めるようにしましょう。

明らかにおかしいことまでは受け止めなくてよい

怒っているお客さまへの対応を行うなかで
明らかに言い過ぎな叱責や過大な要求を受けることもありますが
そんなことまで受け止める必要はありません。
自分の人格や行動を否定されるような言葉を
受け止める必要はありませんし
お客さまからの過大な要求にまで応える必要はありません。
こちらの落ち度でお客さまを怒らせてしまった場合でも
お客さまの言うこと全てを受け止める必要はないと理解しておきましょう。

怒っているお客さまへの対応法

これらをふまえて、怒っているお客さまに対して
どのように対応すればよいか紹介します。

まずは相手の話をしっかり聴く

まずは相手の話をしっかり聴きます。
途中で言いたいことがあっても言わず最後まで聴きましょう。
しっかり聴いて相手がこちらに伝えたいことを理解します。
お客さまは「自分が被害を受けたことを認めてほしい」と思っているので
まずは自分がどんな被害を受けたかしっかり聴いてもらえたことで
これだけでも状況はかなり進展します。

相手に被害を与えたことをしっかりと謝る

そして相手に被害を与えてしまったことを正直に認めしっかりと謝ります。
相手がこちらに伝えたいことをはっきりと理解し
具体的に認めて謝ることが重要です。
「こちらの落ち度を認めることで相手から責められるのではないか」と
不安になる必要はありません。
「自分が被害を受けたことを認めてもらうこと」がお客さまの要望なので
それをきちんと満たすことができればそれ以上は責められません。

お客さまの要望には社内で線引きを決めておく

怒っているお客さまからの過大な要求にまで応える必要はありません。
これ以上の要求は受けなくてもいいという線について
可能であれば社内で方針を作っておきましょう。
対応を受ける個人の裁量に任せてしまうと
対応を受ける人の負担が非常に大きくなってしまいます。
社内で決められた線引きを作っておくことが効果的です。

まとめ

怒っているお客さまは
「自分が被害を受けたことを認めてほしい」と思っています。
その要望を満たすためにまずは相手の話をしっかり聴きましょう。
お客さまに自分がどんな被害を受けたかを十分話してもらうことが重要です。
その上で相手に被害を与えてしまったことを正直に認めしっかりと謝ります。
これ以上責められるのではないかと不安になる必要はありません。
「自分が被害を受けたことを認めてほしい」という要望を満たすことができれば
それ以上責められることはありません。


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